大阪家庭裁判所 昭和43年(家イ)170号 審判 1968年2月05日
申立人 川辺ナツ(仮名)
相手方 川辺喜良(仮名)
主文
一 申立人と相手方とを離婚する。
二 双方間の長男由郎の親権者を申立人と定める。
三 相手方は申立人に対し、慰藉料ならびに財産分与として金二〇〇万円を支払うこととし、これを分割して昭和四三年三月から毎月五日限り毎月金三、〇〇〇円ずつ申立人宛持参または送金して支払え。
四 相手方が前項の分割支払いを三回以上遅滞したときは、分割弁済の利益を失い残金全額を直ちに支払え。
五 相手方は申立人に対し、長男の養育費として、昭和四三年三月から同人が義務教育を終了するまで毎月金三、〇〇〇円を上記第三項と同じく申立人宛持参または送金して支払え。
理由
申立人および相手方審問の結果によると、双方は主文第一、二、三、五項の趣旨で離婚することに異存ないが、申立人が昭和四三年一月二三日午後三時に出頭せず、また相手方が香川県に在住し当裁判所へ出頭し難い事情にあるため、最終的には調停として成立するに至らなかつた。
しかし、双方の上記意向および本件調停の経過に現われた一切の事情によると、双方がそれぞれ今後の新しい生活に対処することができるように、双方の意向を尊重し(ただし、慰藉料等の支払いについて、申立代理人は申立人の意向を汲んで代理人事務所宛送金を希望し、また履行遅滞の場合につき双方間に協議はなかつたのであるが、分割払いのため支払い期間が極めて長期にわたること、本件離婚の経緯および子が申立人のもとで監護養育されている事情その他を考慮すると、支払い方法・条件につき双方の意向・希望にかかわらず、主文第三、四、五項のとおり定め)本件を調停に代わる審判で解決するのが相当である。
よつて家事審判法第二四条により主文のとおり審判する。
(家事審判官 西尾太郎)